学術集会長挨拶
第22回日本生殖看護学会学術集会の開催にあたり、ご挨拶を申し上げます。
この度、2024年9月22日(日)、前橋市の昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館)にて、第22回日本生殖看護学会学術集会を開催することとなりました。
今回の学術集会は、メインテーマを「生殖看護におけるダイバーシティ&インクルージョン」、サブテーマを“多様化する家族形成を考える”としました。国内では、不妊に悩むカップルが増加し、不妊の検査や治療をしたことがあるカップルが4.4組に1組となりました。また、2021年は全出生児の約11人に1人が生殖補助医療で誕生しています。生殖医療技術の発展により、それまでは子どもを授かることが難しかったカップルが子どもをもてるようになりました。その一方で、妊娠、出産が叶わなかったカップルも少なくありません。
最近は、カップルのどちらかに配偶子(卵子、精子)がない、又は加齢等で自己の卵子で妊娠が難しい場合などに、第三者の配偶子で妊娠を試みるカップルが増えつつあります。アメリカのCDCの報告では、40歳代のART のほとんどは提供卵子による治療となっているようです。国内では、提供配偶子による妊娠にチャレンジするカップル(異性、同性など)や妊娠・出産した方などが、妊娠にチャレンジする様子をSNS、メディアなどで発信し、コミュニティもできるようになりました。
社会においては、ダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(包摂)の啓発活動が盛んにおこなわれています。そのような中で、ダイバーシティとはなんだろう?生殖看護におけるダイバーシティとは?とモヤモヤを感じる方が少なくないのではないかと思います。
そこで、本学術集会では、ダイバーシティの考え方を共有し、生殖看護におけるダイバーシティについて考えるとともに、教育講演では、「配偶子提供を含め‘生殖技術と親になること’について考え、シンポジウムでは、さまざまなお立場の方とのディスカッションをとおして、生殖医療で生まれてくる(きた)子どもの福祉を見据えたさらなる支援について考え、求められる生殖看護を語り合う機会にできればと思います。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
第22回日本生殖看護学会学術集会
学術集会長 林 はるみ(群馬大学)